上司の誘いを断って好感度が上がる!?上手な断り方!

コールセンターの繁忙期もすっかり過ぎ、4月も中間となりました。新しくスタートした職場で、上司や先輩といった目上の方からのプライベートの誘いも増えてきたのではないでしょうか。誘いをいただくのは非常に光栄なことですが、正直気乗りしなかったり予定があったりと断りたい時ももちろんありますよね。しかし、目上の方からの誘いはなかなか断りづらいものです。

今回は、そんな場面で使える、目上の人からの誘いに対しての上手な断り方についてご紹介します。断り方は上司との関係に影響する大切なことなので、普段何気なく断っていた方も、今一度自分の断り方を振り返ってみてください。

断り方を軽視していませんか?

まず始めに、上司のお誘いに対する断り方は決して軽視してはいけないものだと認識してください。なぜなら、断り方は信頼関係や親近感に影響し、自分の好感度を左右するものだからです。

先輩や上司といった目上の方は、部下や後輩を評価する裁量を持っています。その評価基準には仕事の成果はもちろんですが、個人の好感度も少なからず影響してきます。

極端な例ですが、自分と親しい仲の明るくて礼儀正しい人と、全く話したことがない無愛想で失礼な言動ばかりとる人を思い浮かべてみてください。どちらの人と一緒に働きたいでしょうか。大半の人が前者の親しい仲である人を選ぶと思います。人である以上、こういった好感度によって人を選んでしまう部分は少なからず誰にだってあるものです。

実際に、私が以前在籍していた会社では、同じくらいの成果を出している人達の中で比べた時に、好感度の高い人が出世候補に推されている場面を見ることがありました。

なので、断り方をなんでもいいなどと軽視してしまうのは危険です。断り方について学び、誘いをうまく断ることは大人のマナーとも言えるでしょう。

「予定があるので」「忙しくて」大雑把な理由は印象が悪い!?

よく誘われた際に、「その日は予定があって」「忙しくて」と断る方は多いのではないでしょうか。こういった断り方、実は内容が大雑把すぎることで相手にマイナスの印象を与えてしまっています。

自分が誘う側の立場になって考えてみてください。部下や後輩と仲を深めるべく、飲みや食事に行こうと誘った際に、「すみません、その日は忙しくて…」「すみません、その日はちょっと予定があるので…」と断られたらどう思うでしょうか。「気を使うし嫌なのかな」と感じてしまう部分が若干あるのではないでしょうか。そう感じてしまうのは、「予定」や「忙しい」だと内容が不明瞭で「嘘かな?」と考える余地が生まれてしまうからです。信頼関係のある間柄なら話は違いますが、信頼がない間柄だと大雑把な理由を出されると「嘘だろうな」「嫌なのかな」と邪推してしまい、印象を下げてしまうということです。

断る時は大雑把でなく詳細に!自己開示で信頼関係を築く!

大雑把な理由が邪推を招いてしまうのですから、理由を詳細に話して考える余地をなくしてしまうことで印象の低下は防げます。それどころか、詳細を話すこと、すなわち自己開示することは、相手の警戒を解き信頼関係が築きやすくなるということが心理学の研究によって判明しています。

自己開示とは、プライベートの情報を自分から相手に伝えることです。例えば、先ほどと同じく、予定や忙しさが断る理由だとしても自己開示を取り入れたらどうでしょうか。

「すみません、その日は高校の友人と渋谷の〇〇という店でランチする予定があって・・・」「すみません、この後は明日の会議で使う書類の整理をしないといけなくて・・・」のように断られたら、邪推する余地もなく、むしろ自分に詳細を話してくれたと信頼する気持ちが湧き、印象が良く感じられますね。

参考文献 安藤清志「対人関係における自己開示の機能」東京女子大学紀要論集,1986年

https://twcu.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=26083&item_no=1&page_id=13&block_id=29

肯定的な言葉を付け加える

さらに、誘いに肯定的である言葉を付け加えれば親近感が増します。例えば、「すみません、その日は高校の友人と渋谷の〇〇という店でランチする予定があって…」という断り文句に、「誘ってもらえて嬉しい」や「ぜひ行きたい」という肯定的な意味を持つ言葉を付け加えたらどうなるでしょうか。

「とても行きたいです!ですがすみません、その日は友人と渋谷の〇〇という店でランチする予定があって…来週のお休みはいかがでしょうか?」

このように付け加えると、断っているのに自分と過ごす時間を前向きに考えてくれているように感じ、グッと親近感が増します。

断る口実は「時間」より「お金」や「エネルギー」の方が良い

オハイオ州立大学の研究によって、予定や忙しさなどの「時間」を理由に断った場合は親近感が低下する一方で、持ち合わせがない、疲れているなどの「お金」や「エネルギー」を理由に断る方が親近感が増すということが判明しています。人は、時間は比較的に融通を利かせやすいもので、本当にしたいことならなんとしてもその時間を取れるはずだと考えるそうです。逆にお金やエネルギーは個人的に融通の利かないものだと考え、口実としてより信頼に値すると考えるそうです。

参考文献 グラント・トネリー『誘いを断る口実に「時間がない」はもう止めよう』Harvard Business Review,2019年4月5日更新

https://www.dhbr.net/articles/-/5834?page=2

もっとも良い口実は「体調不良」

ずばり、断る時の最も良い口実は体調不良です。先ほど述べたように、時間を口実にするより「お金」や「エネルギー」を口実にした方が親近感が増します。しかし、「お金」を口実にしてしまうと、いざ「奢る」と言われてしまったときにとても断りづらくなってしまいます。その反面、「エネルギー」を口実に「すみません、少し体調が悪くて…」と言われてしまえば無理に誘うことはできないでしょう。

無理なくお付き合いしよう

いかがでしたか。目上の方からのお誘いを断る機会があればぜひこれらの断り方を参考にしてみてください。実践できれば好感度を上げることも可能です。しかし、実際に上司に聞いた話によると、3度も連続で誘いを断ってしまえば誘われなくなってしまうそうです。なので、断った場合は、断った側が誘い返すというのがうまくお付き合いしていく秘訣です。

また、誘いを断っているのに強引だったりしつこかったりする場合はパワハラになるので、無理して応じる前に周りの人に相談しましょう。

誘うということは親睦を深めたいという意思表示です。ぜひストレスにならない程度にお付き合いしていきましょう。

こちらの記事もどうぞ